電子ピアノとエレクトリックピアノ

エレクトリックピアノの音色(クリックでYoutubeへ)
エレクトリックピアノの音色(クリックでYoutubeへ)

 ステージア研究会は、引き続き、「エレクトーンで鳴らせる楽器の指導書づくり」をしています。今回は、ピアノの仲間から。

 

 エレクトーンには、「エレクトリック・ピアノ」という音色ボタンがあります。ビブラフォンとか鉄琴の仲間みたいなかわいらしい音がします。

 あれ?生徒さんのおうちによくある「電子ピアノ」は生のピアノと同じ音がしますよね。名前は似ているけど、まったくの別物?と、わたしが首をかしげると、他の先生方がスマホに指を走らせます。

 

 先生方がネット検索した結果は、

 電子ピアノは、サンプリングした音を再生するもの。

 エレクトリック・ピアノは、生のピアノと同じ発音の仕組みがあって、その音をマイクで拾って、電気的に増幅させるもの。

 ということでした。

 

 マイクで拾って、電気的に増幅させるということは、エレクトリック・ピアノのもともとの音は、小さいということですよね。生ピアノと同じ仕組みで音を出すのに、なぜ?と、また、わたしが首をかしげると、F先生が、教室にあったアップライト・ピアノのふたを開けました。

 箱状の中には、たくさんの弦。

 ハンマーでたたかれた弦の響きが、箱に伝わって共鳴し、箱の中の空気も共鳴し、音が増幅されるんだよ、と教えてもらいました。そして、エレクトリック・ピアノは、あまり共鳴しない造りになっているのだと思うよ、と。

 エレクトリック・ピアノの仕組みは、ボディに箱状の空洞がないエレキギターみたいな感じかな、とイメージしました。

 

 ピアノを弾いていると、鍵盤ばかりを見てしまいますが、今回のことで、中の弦や共鳴している箱にも意識を向けたい、と思うようになりました。

 生のピアノでフォルテの音を美しく響かせたいときは、生徒さんにもふたを開けて見せて、楽器全体が、そして部屋がまるごと共鳴するイメージを持ってもらうといいかもしれませんね。


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