近所の小さな川で、セキレイを見かけました。ちょこまかと早歩きしては止まり、早歩きしては止まり、しきりと尾を上下に振る姿は、とてもかわいらしかったです。
一緒にいた夫が、「ブルグミュラーのティララン、ティララン、ランッ、ボンのボンは何をしているところだろうね」と首を傾げていました。
ブルクミュラーの「せきれい」はセキレイの動きを見事に描写した曲です。分散和音のティラランはちょこまか早歩き、スタッカートの同音連打は上下に振る尾が想起されます。でも、確かに、大きなフレーズの終わりに低い音で「ボン」と入るところは、「はて?」です。
しばらくセキレイを眺めていると、時々、くちばしを川の水に突き入れ、何か捕食していました。
「ボンって、これかな?」「低い音だけど、トンッて軽く弾く感じだね。」などと話しつつ帰りました。
別の日にセキレイが飛んでいるのも見かけました。ちょっと羽ばたいて上昇しては滑空するという飛び方で、波状飛行(バウンディング・フライト)というそうです。
ブルクミュラーの「せきれい」の短調になるところは、この飛び方にぴったりだな、と思いました。
具体的なタイトルがついている曲を弾くときは、実物を観察すると、弾き方のヒントが見つかるかもしれませんね。
※ ご参考までに、ピアノ曲に関するブログです。
→ 「シャープとフラットの話」(カバレフスキー「ワルツのように」)