ガボットにチャレンジ

生徒さんと話し合ったガボットの拍の感じ
生徒さんと話し合ったガボットの拍の感じ

 先日、生徒のTさんがバロック時代の曲、ヘンデルの「ガボット」の練習の成果を聴かせてくれました。Tさんにとっては、2曲目のバロック時代の曲です。

 

 まず、ベースラインを取る左手の4分音符がレガート〔なめらかにつなげて弾く〕になっていたので、弦楽器の弓をダウンだけ〔ふつうはダウン&アップ〕で弾くように音と音の間にすき間を入れるとバロックらしくなるよ、とアドバイスしました。
 また、舞曲の躍動的な感じがほしかったので、You-tubeでガボットの動きを観察して、1拍目と3拍目は前進あるいは跳躍するような拍、4拍目は止まったり、ターンしたりして次の小節に向かう拍だね、などと話し合いました。 

 

 バロック時代の曲は、ふだん耳にする音楽とは違っていて、少しとっつきにくいですが、舞曲の場合は、どんな動きの踊りかを知ることで、雰囲気をつかみやすくなると思います。

 

 レッスンの終わりに、Tさんが少し元気なく「自分ではよく弾けたと思ったのですが」と苦笑いしてました。

 その言葉で、がんばって練習してきた部分を見逃してしまったのだと気づきました。バロック時代の曲らしい演奏のために、あれも伝えよう、これも伝えようという気持ちばかり先走っていまいましたが、「ここが良かった」ということもきちんと伝えるべきだったな、と反省しました。

 

 

※ ご参考までに、ピアノ曲に関するブログです。

  → 「絵画的に見る楽譜」(ブルグミュラー「タランテラ」)

  → 「シャープとフラットの話」(カバレフスキー「ワルツのように」)

  → 「大切なパートは?」(パーセル「シャコンヌ」)

  → 「歌うように弾く」(マルティーニ「愛のよろこび」)

  → 「サンタクロースのお爺さん?」(シューマン)

  → 「セキレイの『ボン』改め『トン』」(ブルグミュラー)

  → 「表現としてのテンポ」(ブルグミュラー「やさしい花」)

  → 「『スズメに逃げられない』弾き方」(ベートーヴェン「エリーゼのために」) 

  → 「それぞれの表現」(グリーグ「夜警の歌」)

  → 「強拍 vs アクセント」(チャイコフスキー『子どものアルバム』より「ワルツ」)


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