先日、『シンデレラ』のバレエ公演を見に行きました。バレエは、友達の妹の発表会を何度か見たくらいで、オーケストラの演奏つきの本格的なものは初めてです。
ホールに入ってまず目を引くのが、ステージの手前にあるオーケストラピット。すでに何人かの楽団員の方が入っていて、低い弦の音や派手な打楽器の音、甲高いピッコロの音がホールに響いています。
プログラムの冊子を見ると、あら?弦楽器の奏者がさびしい感じ。
第1バイオリンが7人、第2バイオリンは6人、ビオラ5人、チェロ4人、コントラバス3人しかいません。一般的なものは、木管楽器が3人ずつの3管編成だと、弦楽器はそれぞれ14人、12人、10人、8人、6人です。
一方、打楽器奏者の多いこと!ティンパニも入れたら第1バイオリンと同じ7人もいます。
バレエのオーケストラだと、こういう人数の配分になるのかな?と思いました。
そして、幕が上がり、シンデレラのお話が物語性豊かに演じられて行きます。衣装、小道具、大道具、ダンサーの表情や動き、ポジショニング。工夫を凝らしたステージに引き込まれます。
幕が下りて、カーテンコール。鳴り響く拍手の中、キャストがそろって何度もお辞儀をして再び幕が下りました。
帰り道で、一緒に見に行った夫に「時計の音は何の楽器がやっていたの?」と訊かれました。
あっ!
何の楽器が鳴っていたかなんてまったく意識していませんでした。
始まる前には、弦楽器が少なくて打楽器が多いのはどんな演奏になるのかな、と思っていましたが、バレエと音楽が調和しきっていて「音楽」だけを気にして聴くことはできませんでした。
ステージのバレエに、出しゃばりもせず、引っ込み過ぎもせず、ピットのオーケストラがまぶしいようにぴったりだったなあ、と思いました。
ああ ここで
あることと
ないことが
まぶしいように
ぴったりだ
(まどみちおさんの「りんご」より)