ピアノを弾くときは、脱力が大切と言われます。
先月のことですが、大人の方がピアノに向かっているとき、肩に力が入っているように見えたので、自分の体験をお話ししました。
「左足をただ床に置いておくのではなくて、指先で軽く床をつかむくらい、しっかり踏みしめたら、肩から力が抜けて、楽に弾けるようになったんですよ」
すると、その方から、「上虚下実」というヨガの言葉があるのを教えてもらいました。上半身は力を抜いて、下半身はどっしりと構えるということだそうです。
ピアノの構えも、まさに「上虚下実」だな、と思いました。
また、先日、新型コロナのワクチン接種に行った時のことです。
筋肉注射も脱力が大事みたいです。お医者さんから、「腕はだらーん、だらーん。たっぷり息を吸って、ハイ、吐きます」と声を掛けられつつ、注射されました。
呼吸も脱力のポイントですね。
弾けないフレーズのところで、気づくと、息を止めてしまっている、なんてことも、よくあります。
そんな時は、まず、フレーズの始まりで息を吐くようにしています。繊細なフレーズなら細い息、力強いフレーズなら勢いよく吹き飛ばすような息、というように。
息が吐き出せたら、それでオーケー。肺に空気が足りなくなったら、自然と吸っているので、吸う方は意識的にしなくても大丈夫です。
自分の体なのに、思うままに動かせないことも多いですが、「上虚下実」と呼吸を味方につけて、気持ちよく演奏したいですね。